コンテンツマーケティング研究所

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コンテンツを分類して計画しよう ―クラフトフーズ社に学ぶコンテンツ分類とソーシング戦略

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コンテンツの分類

コンテンツマーケティング研究所での人気コンテンツの一つ、事例とその考え方紹介です。時間や資金といったリソースを、いかに適切に配分するか。コンテンツ制作に際して、この課題に頭を悩ますマーケターは少なくないと思います。限られた資源から大きな効果を生み出すことは、決して容易な作業ではありません。

そこで重要になってくるのが、アウトソーシングという考え方です。コンテンツをどこまで自社で手掛け、どこから外部に委託するか。この線引きを明確にし、社内外のリソースをうまく活用することで、マーケティングの効果を最大限に引き出せるのです。

この外注/内製の境界線を考える上で、クラフトフーズ社のコンテンツマーケティング手法は大変参考になります。米大手食品メーカーである同社には、ソーシングに関して非常にシンプルかつ論理的な戦略が見られます。そこで今回は同社のマーケティング戦略の基盤ともいえるコンテンツ分類と、それを用いたソーシング戦略について見ていきます。

「手間」と「寿命」の2軸で考えよう

クラフトフーズ社のメディアおよび顧客エンゲージメント担当ディレクター・Julie Fleischer氏によると、同社ではコンテンツを以下の4つのタイプに分類しています。


コンテンツマーケティング-分類

上の図を見ると、縦軸は「作り込まれたもの/即時的に作られたもの」、横軸は「持続性のあるもの/一過性もの」となっています。つまり、全てのコンテンツが「制作にかかる手間」と「内容の寿命」という2つの軸で切り分けられているのです。では、それぞれのタイプについて、その特徴や具体的事例を見ていきましょう。

1. 作り込まれており、かつ一過性のコンテンツ

このタイプのコンテンツで狙うのは拡散です。そのため、予め計画をよく練り、また資金を少なからず投入して、ダイナミックに仕上げられています。
具体例としては、英国でのロイヤルベビー誕生を祝った以下のツイートが挙げられます。


コンテンツマーケティング-オレオ1

クラフトフーズ社のクッキーブランドOreoのTwitterアカウントは、ロイヤルベビー誕生の発表直後にこの写真を投稿しました。タイムリーな内容ながら、赤ん坊の誕生は予測されていた出来事なので、このツイートも予め準備されていたものと考えられます。同社の狙い通り、この投稿は1030リツイートを獲得して、広く拡散されました。

2. 作り込まれており、かつ持続性のあるコンテンツ

このタイプのコンテンツは、長期に渡って閲覧されることを目的としています。そのため、より多くの資金を注ぎ込んだ、価値の高いものになっています。
具体例としては、同社がシェフとコラボレーションした料理動画が挙げられます。


上の動画では、料理専門家Michele McAdooがクラフトフーズ社のゼラチン粉Jell-Oを用いてケーキを作っています。2007年6月に投稿された後も、継続的にコメントがついていることから、長い間この動画が視聴されていることがわかります。

3. 即時的に作られ、かつ一過性のコンテンツ

このタイプのコンテンツの狙いは、大きなインパクトを与えることです。その目的を果たすために、時機を捉えた内容を、リアルタイムで発信しています。
具体例としては、OreoのTwitterアカウントによる次の投稿が挙げられます。


コンテンツマーケティング-オレオ

これはスーパーボウルの試合中に停電が起こった際に投稿されたオレオのツイートです。突然のアクシデントに素早く反応した、「You Can Still Dunk In the Dark(暗闇でも浸せます)」というユーモアたっぷりのこのつぶやきは、リアルタイム・マーケティングの成功事例、代表事例として大きな話題を呼びました。

4. 即時的に作られ、かつ持続性のあるコンテンツ

このタイプのコンテンツは、将来のコンテンツ制作に役立てることが目的です。コストはかけずに、修正を加えながら再利用し、継続的に効果を測定するのです。
 具体例としては、クラフトフーズ社が公開している料理レシピやアイディア料理の紹介が挙げられます。比較的手軽に作ることができるこれらのコンテンツは、少しずつ改変を加えながら長く参考にしてもらえることでしょう。


このように見てくると、クラフトフーズ社が4タイプのコンテンツを上手く使い分けていることが分かります。それによって同社は、マーケティング効果の最大化とリソース活用の最適化を図っているのです。

どのカテゴリーを誰に任せるべきか

クラフトフーズ社では、コンテンツの4つの型をソーシング戦略にも適用しています。

上の図から分かるように、同社はコンテンツのタイプによって制作担当者を割り振っているのです。それぞれの領域について、具体的に見ていきましょう。

1. 手の込んだコンテンツ(一過性・持続性に関わらず)

このタイプのコンテンツは、内容の寿命に関わらず、広告代理店あるいはその他の経験豊富なプロにアウトソースします。その理由としては、豊富な経験やノウハウを活用できるという点が大きいでしょう。実際、前出のロイヤルベビー誕生を祝うOreoのコンテンツは、360iというデジタルマーケティング会社が担当したものです。

2. 即時的に作られ、かつ一過性のコンテンツ

このタイプのコンテンツは、トレンドに素早く反応する仕組みを持つソーシャル/デジタルエージェンシーに任せます。この領域では、リアルタイム性の高さがモノを言います。だからこそ、常にトレンドを追い続けている会社に依頼するのが最も有効なのです。

3. 即時的に作られ、かつ持続性のあるコンテンツ

このタイプのコンテンツは制作が比較的容易なので、自社で手掛けましょう。アウトソースするよりも、自社内で制作を進める中で知識やノウハウを蓄積していった方が、将来的なメリットにつながります。

ここまで4つのカテゴリーと、そのカテゴリーを誰に任せるかを考えてきました。この徹底した明確さと論理性こそ、クラフトフーズ社のソーシング戦略、ひいてはマーケティング戦略の特徴と言えるかもしれません。

自社のコンテンツ分類を考えてみよう

ここまで見てきたように、クラフトフーズ社のソーシング戦略は、論理的なコンテンツ分類に基づいています。このような枠組みの存在は、コンテンツ作成担当者の明確化に大きく貢献します。そして最終的には、リソース分配の最適化にもつながるのです。また枠組みがあることで、意識の共有・統一がしやすくなるというメリットもあるでしょう。

クラフトフーズ社は「制作にかかる手間」と「内容の寿命」という2つの軸で、全てのコンテンツをカテゴライズしていました。それらはあくまでクラフトフーズ社の切り口に過ぎません。コンテンツを切り分ける方法は、他にも多く存在します。今回の事例を参考に、独自のコンテンツ分類を考えてみてはいかがでしょうか。論理的なカテゴライズをソーシング戦略に活かすことで、自社にとって最適なリソース活用の道が開けてくるかもしれません。



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