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FacebookのInstant Articles。プラットフォーム依存の危機をどう脱するか

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フェイスブックが自らニュース配信を始める「Instant Articles」を発表した。先に海外で動き始めますが、結果によっては日本でも取り入れられるはず。皆さんはすぐにこれが意味するところを理解したと思いますが、同様に多くの識者が警鐘を鳴らしています。

Facebookがメディアを殺す日―Instant Articlesの衝撃

コンテンツプロバイダ側にインセンティブを与えるために、Instant Articlesのエッジランクは当然高いはずです(そもそもエッジランクなど関係なく、広告フィードの枠に表示されるのかもしれないけども)。そうなると当然、一般の企業ページの露出は減るだろうし、減らなかったとしてもユーザーの時間は奪われる。これによって多くの企業ページが打撃を受けるだろうと予想できます。今やソーシャルからサイトへの流入は、無視できないどころか、マジョリティになりつつあります。そんな中で10%でもトラフィックが落ちたとしたら…。

これが施行されれば、もしかしたら、マーケターはどれだけトラフィックが”下がらなかった”かを話すことになるかもしれません。プラットフォームに依存してしまうことのリスクが、今目前にあるわけです。

しかしながら、サイトへのトラフィック、ブランド認知、どのような目的であろうとも、担当者は結果を出さなければならないはずです。あなたの上司は、仕方ないと理解してくれるでしょうか? 返事はきっと「予測できたのに何故準備しなかったのか?」でしょう。予想されるリスクに対処する術や、代案を考えなければなりません。ここから、私たちのアイデアをいくつか示しましょう。

プラットフォームの宿命に「抗うために受け入れる」

まず1つは、プラットフォームの宿命に抗うことです。全く逆の言葉ですが、実は受け入れるということでもあります。つまり「プラットフォームに最適化」することです。

分散型コンテンツという考え方が論じられるようになりましたが、これはユーザーがソーシャルメディア上で過ごす時間が増え、またソーシャルメディア上でコンテンツを消費するようになったこと(つまりリンクをクリックして見に行かない)を考えれば、至極まっとうな考えだと思います。

「分散型コンテンツ」の本質と稼ぎ方---先駆者「NowThis」の全貌

フェイスブックがニュースフィードを始めることの根底には、これも理由としてあります。リンクをクリックして、サイトに飛ぶまでの時間がもったいないというわけです。これまでFacebook上でリンクをクリックしてサイトに飛ぶまでは、平均で8秒かかっていたそうですが、Facebookのフィード上に掲載することで、コンテンツまでの到達時間は1/10にまで減ったそうです。人々の可処分時間は限られていて、プラットフォーム上でコンテンツを消費できれば、ユーザーはより多くのコンテンツに触れることができ、Facebookでの滞在時間が増えるからです。

では、プラットフォーム、例えばFacebookやツイッター上で適切なコンテンツとは何でしょうか? 分散型コンテンツの雄、バズフィードやNowThisを見れば明白でしょう。画像、動画、インフォグラフィックスなどのリッチコンテンツで、サイトに飛ばすことは狙っていません。ユーザーにとっては、ただ快適に見ることができれば、コンテンツを消費する場所なんて関係ないんですね。確かに直接的なサイトへのトラフィックは落ちるでしょう。しかしコンテンツのリーチは伸びる可能性があります。

前回の記事「広告なしでもリーチ率1,000%! ソーシャルメディア運用の勘所をおさらいしましょう」で述べたように、エンゲージメントを究極の目的として舵を切ることも最適化の1つでしょう。先に述べたのがプラットフォーム上の「コンテンツの最適化」なら、こちらはプラットフォーム上での「目的の最適化」と言えるでしょうか。自分たちのページのエッジランクを高めることで、Facebookのニュースフィードが奪った少ない椅子からはじき出されるリスクを減らせるからです。

プラットフォームの最適化で、コンテンツマーケティングの本質を思い出す

次に考えられるのは、プラットフォームの多面展開です。B2C企業やローカル企業ならクローズドなLINE@がいいでしょう。B2B企業でも「限られた人にだけ特別な情報を」などとコピーを工夫すれば、クローズドなSNSが使えるかもしれません。そう考えると、ユーザーに通知ができるフェイスブックのグループ機能をうまく使うのも手かもしれませんね。ネイティブアプリを作るのもいいし、キュレーションメディアや力のあるペイドメディアに配信することをもっと増やしていくことも考えられるでしょう。

ここで大事なのは、何を選ぶにしろ、考え方はどれも同じだということです。つまりプラットフォームへ最適化することで、ユーザーが望む情報を、望む形で届けてあげることです。プラットフォームに踊らされる現状は、seoを巡るいたちごっこにも似ているわけですが、どちらも結局はコンテンツを通じてユーザーとの接点で適切な体験を与えるといことです。とてもシンプルだし、これこそがコンテンツマーケティングと言えるでしょう(このトピックはまた別の機会に詳しく話したい)。

このようにいくつか打ち手は考えられますが、未だ明確な結論はありません。どれを選ぶにしろ、取り組む上での課題は、それぞれのプラットフォームに対する知識の不足やコストの増大になるでしょう。しかし、こうしたコンテンツマーケティングの本質を身に付けることによって、思った以上の対価を得るという想定外の成果を得られるかもしれません。


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