コンテンツマーケティング研究所

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コンテンツマーケティング=オウンドメディアという考えは捨てたほうがいい -ユニクロの事例から-

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ユニクロ UTme!マーケットにコンテンツマーケティングの理想形を見た!

表題のテーマに関して、まずは事例を見たほうが理解しやすいと思います。

皆さん、UTme!マーケット(以下UTme!)って知ってますか? 昨年自分でTシャツを作れるサービスとして開始されたUTme!が、「自分で作ったものを売れる」としてリニューアルされたサービスです。4月下旬に公開されており、私は先日SNSで知り合いが投稿しているのを見て知りました。

面白そうだったので実際に私も作ってみたりしました(どのデザインかは内緒ですが)が、すでにものすごい数のユーザーがいて、多種多様なデザインが溢れています。まさに何度か紹介しているCGMなわけですが、実際に体験してみたところ、CGMとしての成長を加速させるであろう仕掛けを随所に見つけました。

ユーザーが参加する上での敷居が低い

例えば似たようなサービスにLINEのクリエイターズスタンプがありますが、スタンプと大きく異なる点は、かなり敷居が低い点です。UTme!の場合、イラストが描けなくても大丈夫。持っている写真を使えばいいし、テキストツールやペイントツールがあり、オシャレな加工もできます。これにより、誰もがクリエイターになれるのです。

ただ著作権を冒していないかなど、スタンプ同様審査はあります。私の場合、ものすっごく一般的な英単語が、商標登録されているとして否認されました。これはさすがに改善すべきだなと感じています。


UTme!は誰でもクリエーターになれる

UTme!は誰でもクリエーターになれる


対象デバイスの最適化

スマホアプリで作れるというのも、敷居を下げ、多くのユーザーの参加を促す上で一役買っているでしょう。普段はパソコンを使わないという人はまだまだいますが、今では老若男女誰もがスマホを持っている時代です。PCでしかできないサービスよりも、格段に多くの人を取り込めます。

またアプリが若干使いにくい点はあるものの、迷うことなく出品申請までできる、ボタンが大きく押しやすいなど、UIは非常に優れていると感じました。

ソーシャルシェア機能

これはもはや当たり前ですが、念のため書いておきます。UTme!の場合は、作った後すぐに、自分のデザインをFacebookとツイッターで簡単にシェアできます。自分も友人がシェアしているのを見て興味を持ったので、ユーザーを広げるためには大きな役割を果たしています。


SNSへのシェアは簡単にできる

SNSへのシェアは簡単にできる


自分で作ったものを売れる

先にも触れましたが、UTme!マーケットでは、自分でデザインしたTシャツを、自分で買えて、売れます。その額一枚につき400円なり。ユーザーにインセンティブを与えることによって、参加する人も増えて、コンテンツの質も高まると考えられます。

エヴァンジェリストの参加

ちょっと適切な言葉が見つからないのですが、UTme! には、著名なアーティストも参加しています。そう、知る人ぞ知る田辺誠一画伯です。またはノンノモデルの方々も参加しています(個人的にははいだしょうこ画伯、浜田雅功画伯のTシャツも見てみたい)。

CGMの弱点は、ユーザー主導だと必ずしも良い方向に向かうとは限らない点です。そこで場をコントロールする人の存在が不可欠です。この場合は、著名人の存在が場の健全化や、積極的な認知・参加を促していると言えます。


あの田辺誠一画伯も参加している

あの田辺誠一画伯も参加している


CGMとコンテンツマーケティング

CGMを加速させる仕掛けを見てきましたが、表題のテーマに戻りましょう。コンテンツマーケティングは日本に定着して久しいですが、未だにバズワードとしての側面は否めません。

今コンテンツマーケティングというと、多数の人が、オウンドメディアを作り、コンテンツSEO的アプローチで、キーワードに即した記事を書いて、オーガニックからのトラフィックを集める施策をイメージするでしょう。

しかし、コンテンツマーケティングの定義に立ち戻ってみましょう。コンテンツマーケティングとは何かを説明する文章はいくつかありますが、

  • 価値あるコンテンツを提供し
  • 見込み顧客を惹きつけ
  • 購買につなげ
  • 関係を築き続ける

という点は共通しているかと思います。さて、UTme! の場合はこれとは異なるのでしょうか?

ユニクロは、今やファストファッション界の世界的リーダーであり、老若男女に愛される存在です。ところが私の年代(84年生まれです)だと、かつてユニクロはダサいアパレルの代名詞でした(加平インターの近くにあったんですよ)。そのためか、今でもユニクロで買い物することは多くありませんし、大っぴらにユニクロで買ったことをアピールすることもしませんでした。

もしかしたら、同じような方は多いのではないでしょうか? しかしUTme! の場合、自分で作ったら、それをシェアして、自分が作ったと自慢して、自分でも買って、人にも勧めます。購買に繋がり、ブランドに親近感を覚えます。コンテンツマーケティングのグッドプラクティスと言えるのではないでしょうか?

さらに優れているのは、企業側がコンテンツを作る必要がないという点です。企業側は場所を与えて、ほんの少しの仕掛けによって、労することなく潜在顧客を惹きつけるコンテンツが増えていきます。いずれはまとめサイトなんかでも、人気のデザインまとめといった記事が出てくることでしょう。この点が、多くの人が想像するコンテンツSEO的なコンテンツマーケティングと決定的に違うところです。

コンテンツマーケティングは少し誤解されているところがあります。コンテンツSEO的なアプローチも場合によっては有効ですが、コンテンツマーケティング=オウンドメディアという固定概念を一度捨ててみることをお勧めします。私たちも課題を適切に見極め、心からユーザーを惹きつけられる施策を提案していきたいと考えています。


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