コンテンツマーケティング研究所

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コンテンツマーケティングに取り組むBtoB企業、GEの話

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GE-Instagram

こんにちは、中村です。先日、カナダのメディア企業のオフィスで、どのブランドのコンテンツマーケティングが印象的かという話題になりました。

ある人はクラフト、またある人はホームデポ、IKEAなどいろんな大企業の名前が出ましたが、中でも満場一致で「ここはすごい!」となったのがGE(ゼネラル・エレクトリック)です。

GEと言えば誰もが知るようなアメリカの超巨大企業。今ではコンテンツマーケティングで先進的な取り組みをするブランドの一つとしても、よく知られるようになりました。先日行われたCMI(Content Marketing Institute)が主催するコンテンツマーケティングアワード2013でも、Best Topic Specific Video部門において銅賞に輝いています。

GEは2008年の世界的な不況を受け一時は売り上げが大幅に落ち込みましたが、その後は売り上げを30%近く伸ばしており、そのための施策の一つに優れたコンテンツマーケティングがあったとされています。(リンク先のADWEEKの記事では、30%の伸びは優れたコンテンツマーケティングによるものだとまで言い切っています)

GEはどういったコンテンツマーケティングを行うことで、ビジネスを成功へ導いたのでしょうか? 今回はCMIのMichael Weissが行ったGEのグローバルブランドマーケティング部長であるLinda Boffとのインタビュー記事から、その答えを探ってみます。

企業向け産業製品を作るBtoB企業は何をしたか

GEは発電機やモーターといった電気機器から航空機エンジン、発電所などのインフラストラクチャー、宇宙開発に関わる軍事産業など、とても多岐にわたるビジネスを行っています。重要な製品ではあるものの、一般の人々にはあまりイメージの湧きづらい、どちらかと言えば話題になりにくいものです。読者を惹きつけるためには、見せ方の工夫が求められていました。

また、GEには業界のリーダーであり続けるために、GE自身がソートリーダーとなって業界を盛り上げ、市場を作り出すブランディング活動も必要とされていました。

さらに、GEのこうした製品は、導入決定まで多くの提案活動や稟議プロセスがあり、意思決定者が多岐に渡るので多くの時間を要します。そのため、関係者を説得できるための情報をはっきりと正確に提供していくことが求められます。Lindaはこれらの問題の解決策として以下の2点を活発にネット上で展開させることで、成功を収めています。

裏方の産業プロダクツを魅力的に伝え、印象に残す

Instagramの利用

Lindaはインタビューの中で、ソーシャルメディアの利用例としてInstagramの活用について話しています。Instagramで撮影された写真はFacebookのようにユーザーがコメントしたり、「いいね!」をクリックすることができるため、ユーザー同士の交流を深めながら、消費者とのエンゲージメントを高めることができます。

さらに、普段はなかなか見ることのできないGEの裏方産業製品を(ビジュアルにとして)見ることができたり、GEの社員がどのように働いているのかをリアルタイムに伝えることができます。インスタグラムで撮影された写真はGEが作っている製品だけでなく、製品を作り出している人々や、どのようにしてその製品が私たちの生活の中で利用されているのかを知ることができます。

私は写真を見ている時、こんなにも自分の周りでGEのテクノロジーがあふれていると思うと、雲の上のような遠い存在に感じていたGEがとても身近な存在に感じました。下の写真も、なんだか近未来を感じたり、カッコイイ機能美を感じたりしませんか?


GE-コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティング-GE-2

映画のパロディを使って、GEが何をしているかを知ってもらう

GEはオーディエンスが楽しめるストーリー作りに力を注いでいます。別のインタビューの中でLindaは、「ストーリーテリングは私たちが何を売っているかではなく、何をしているかについてオーディエンスに知ってもらいながら、彼らとコミュニケーションを取るのに極めて重要である」と語っています。

私たちは輸送、ヘルスケア、自然ガスにおいて再生可能なエネルギーと大きく関連しています。このことは本質的にとても興味深いのです。だから私たちはストーリーテリングを利用することでGEの取り組みの中で何が本質的にすばらしく、興味深いものにさせるのか伝えているのです。

GEのウェブサイトにアクセスすると、トップページにまるで映画「バック・トゥ・ザフューチャー」のような画像が目に飛び込んできました。GEのウェブサイトではないんじゃないかと目を疑うほど、映画を見ているかのような楽しいストーリーと映像コンテンツなのです。

今回GEのウェブサイトを閲覧していて一番印象に残ったのは、動画コンテンツをかなり多く取り入れている点です。ただの動画コンテンツではなく、まるで映画の世界に入り込んだように思わせるコンテンツです。

数あるGEの動画コンテンツの中でも私が一番気に入った動画がこれです。


映画「マトリックス」のエージェント・スミスを思い起こさせる男が、Aventura Hospitalに入り込み、実際病院の中でどのようにGEのヘルスケアテクノロジーが利用されているか分かりやすく、そしてユーモアをたっぷり含みながら語っています。

たった一分間程度のストーリーですが、GEのテクノロジーが私たちにとって身近な存在である病院の中でどう役立っているのかとてもシンプルに伝えられていて、映画を見ているようで本当に面白かったです。「この先の続きが早くみたい!」と思わせるような映画顔負けの独特なコンテンツと映像は、見ているオーディエンスの心をつかむ親しみやすいストーリーです。

ホワイトペーパーを数多く活用

前述のように、GEは趣向を凝らして、ビジュアルに訴えかけるようなコンテンツを用意しました。一方で、BtoBの製品は複数の意思決定者に向けて、検討のための素材を提供する必要があります。GEはオーディエンスの購買意欲を高めるためにホワイトペーパーを数多く用意しています。

その代表的な例がGEウェブサイト内にある、「GE Report」と「The Industrial Internet@Work」です。

GEレポートでは、GEの最新ストーリーがシンプルに分かりやすくオーディエンスに伝えられています。どの記事もポイントを捉えることで特別長く書かれておらず、とても読みやすい印象を受けました。そこには、業界をリードするほどの深い洞察力を持っていることをアピールするコンテンツが数多く書かれています。


コンテンツマーケティング-GEレポート

レポートには人と産業機械が融合するのに必要不可欠な要素や、GEが追求する情報の流れやビジネスモデルを分かりやすく記しています。どこで、何を、どうすべきなのか彼らのビジョンがはっきりと記されたコンテンツと共に、大きな写真やデータ表が多く取り入れられており、とても分かりやすく説得力があります。

個人情報を入力せずとも、レポート群を全編を読むことができるのも太っ腹です(リード獲得ができないため、手段としては賛否あるところかと思われますが)。

レポートでは、失業率など社会問題や財政問題について触れられ、GEの考えるビジネスモデルがこれらの問題解決にどうつながるかなどの説明文もあり、CSRの観点からも訴求されています。


このように、GEのウェブサイトや動画を見てみると、いかに彼らのコンテンツが優れているのか身にしみて感じられます。優れたホワイトペーパーを数多く生み出し、まるで映画のようなコンテンツを作り、ソーシャルメディアで産業プロダクツをうまく見せる手法は素晴らしいです。

これらのコンテンツには大変な労力がかかっているでしょう。しかし、これがブランディング、需要創出の後押しをしていると判断しているからこそ、GEはこれらのコンテンツに投資しているのではないでしょうか。とても分かりやすく、魅力的な彼らのコンテンツを一度是非のぞいてみて下さい。



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