【カンヌ受賞事例】母親目線のO2Oキャンペーン
by C研 |
日焼けと迷子
ビーチで日焼けから守ろう! 子供も守ろう!
カンヌライオンズ2014のモバイル部門グランプリを紹介します。こちらはニベアがブラジルで実施したキャンペーン。子供を迷子から守ろうというキャンペーンです。キャンペーンにはワクワク感や面白さが求められますが、こちらは、母親としてのお悩みに見事にヒットした仕組みです。
日焼けと迷子が関係あるというのは、以下のように考えると納得がいきますね。
日焼け止めを使う人は? = 主に女性(若い女性、母親)
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日焼け止めを使う場所は? = ビーチやその他屋外
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母親は、ビーチは誰と行く? = 子ども
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子どもとのレジャーでの心配事は? = 迷子
小さな子を持つ親は、親子連れで外出した際に、子どもが目の届く範囲にいるかどうか常に気を張っているものです。
こうやってアイデアが形になると当たり前のように見えますが、徹底的にユーザーの立場に立ち、商品のターゲットやシーンが考えられたキャンペーンになっています。プロテクトするものは、紫外線と子どもという訳です。しかも、このブレスレット、複数回にわたって使える強度。つまり、公園で子供を遊ばせるときにも使えちゃうのです。それがまたアプリのダウンロード意欲を高めたことも想像できますね。
ニベアの広告にGPS付きリストバンドがついている
GPS付きリストバンドを使うためには、専用のアプリをダウンロードする必要があります。子供を守りたいという思いは、アプリダウンロードの心理的ハードルを軽々と乗り越えるでしょう。ここに、キャンペーン成功の大きな理由があります。雑誌広告からのコンバージョンとしては驚異的な数字があがったのではないでしょうか。
プリントとモバイルの見事な連動で売り上げもアップ
ニベアにとっては、ユーザーに専用のアプリをダウンロードすることで、リードを獲得することができます。おそらく、これがキャンペーンのKPIの一つとなっていると想像できます。ユーザーにとっては、このアプリを使うことで、子供が圏外に移動するとアラート通知してくれるため、親は安心というわけです。
しかし、それだけでは終わりませんでした、「ニベアサンキッズ」はこのキャンペーンによって売上を62%伸ばし、初めての快挙となる部門セールスのトップとなったのです。
お悩み解決のO2Oで「めんどくさい」を乗り越える
O2Oキャンペーンは、オンラインとオフラインの間をいかに回遊したか、またはデジタルと非デジタルの融合をいかにリンクさせたかを測定するために、ともすれば専用アプリのダウンロードといった、消費者にとって「めんどくさい」ことをお願いせざるを得ないケースがあります。しかし、このニベアの事例のような、お悩みを解決するものであれば、消費者にキャンペーンを体験したり使ってもらったりすることは十分可能ではないでしょうか。